生まれる前の事

最近の長男は自分が赤ん坊だったときの話をよく聞かしてくれる。
あのとき自分はこうだった、ああだった。
ここに行った。こんなことをした。誰々はこうだった。と、本当に細かい事までよくおぼえている。
パパママは喧嘩ばかりしていた、と来ると二人とも苦笑い。
そんなときもありましたなあ。

今日もそんな話から始まるのかと思って聞いていたら、なんと!どうも生まれる前の話をしているようだ。

そういう事例があることは知っていたが、実際に遭遇することは初めて。

母親のお腹の中から生まれてきたこと。
何でも母親のお腹の中に三角屋根で細長いお家があって、そこに次男と二人で住んでいたらしく、海に向かって走ってパッカーンと生まれてきたこと。
二人で走ったが自分の方が早かったらしく、次男は途中で疲れて眠ってしまったらしい。
その時ママはどうだった?と聞いてきたり、パパは自分を見たときどんなだったと聞いてきたので、とても感動したことをありありと思い出してなんとも言えない感慨深い気持ちになった。

本人は走って生まれてきたことにとてもびっくりしたらしい。
こちらもとてもびっくりしたけどやっと会えてすごい嬉しかったよ、と伝えるとはにかんだ笑顔を返してきた。

そのおうちには他にどんな子がいたか、聞いてみたがその時は二人しかいなかったらしい。
長男のその話は部屋を暗くして寝る前まで及んだ。
自分の生まれた時の話をして、その時の事を回りに聞いて自分の歴史を作り始めているのか?何度も何度も聞いて来る。
その当時のアルバムも何故か手元に置いてあって、生まれてからの話も、この時はああだった、こうだった、パパとママはこの時どうしてた?どうだった?と何度も何度も聞いてくる。
他の家族の事も聞きたがり、
「パパは誰から生まれたの?ちぃばあちゃんは大婆から?それってすごいことだよね?」
と大人びたことを聞いては喜んでいる。

自分のまだ少ない生きた時間を丁寧に丁寧に心に綴りしまいこんでいるかのようだ。


子どもは三歳までは神の子というが本当だ。
こんな子ども達を悲しませていいわけがない。

良くできた空想かも知れないが、この空想を守る責任が大人達には絶対にある。
この子の親に成れて良かったと思うそんな瞬間だった。

次男が大きくなった時にはまた違った話が聞けるんだろうか?


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