「出産は体質改善の好機について」

整体における妊娠と出産その1

整体では、母子ともに健康で安産するということはもちろん、妊娠 ・出産を、体を整え 「整体」 となるための、より健康に丈夫になるための機会としてとらえています。出産することを通して、女性がより健康に、より美しくなっていくことが、妊娠 ・出産における整体の大きな目的の一つです。

しかし、けっしてこうするべき・べからずということではありません。なかにはこれじゃなきゃいけないと、自分を追い込む人もいますが、すこやかに伸び伸びと妊娠生活を楽しむための整体の知恵ですので、色々な価値観に触れた上で”お産”を選択されればよいと思います。逆にパートナーの方がこうじゃなきゃいけない!となってしまう場合もあります。これはだれしも気をつけなくてはいけない部分ですが、どういう状況であれ、相手のストレスにならないよう配慮が必要です。お産は母子主体で行うものなので相手の選択を尊重できるように健やかに暮らすことが望ましいです。

このコラムがお役に立てれば幸いです。

「出産を通してより健康に」

整体では、妊娠出産を女性の体をより健康な状態へと導く大切な機会として考えています。妊娠・出産というのは、女性の体の大きな変化のときです。一つの生命を体内で育て産み出すという、奇跡ともいえることをおこなってしまうときなのです。このとき女性は、体質や体内の変化によって、「母体」といういつもの自分とは全く違う、特別な状態になります。

「母体」となった女性の体は、生命力・自然治癒力・新陳代謝がとても旺盛になります。そして、女性が、産まれてからずっと抱えていた、体のトラブル、つまり体質といわれているようなものでも、改善できるチャンスです。また、治りにくいといわれているような病気でも、自然な妊娠・出産を通して治ってしまうことが多々あるのです。

そして、妊娠 ・ 出産は、女性の体の中心である骨盤が大きく変動し、体が大きく変わる特別なときでもあります。そのため 出産をきっかけに体を壊す人もいますが、逆に体質を改善し、今まで抱えていた異常を払拭する好機でもあるのです。

「妊娠するということ」

妊娠したということは、無事赤ちゃんを産むことができる体の状態にあるという証拠です。無事に出産できない体であれば、基本的に妊娠はしません。このことを知っておくことは大事なことだと思います。妊娠したからには、自分の体には、産み育てる力があるということです。


そして、もし流産するようなことがあれば、それは多くの場合胎児の側に問題があるときです。受精卵に発育能力のない場合は、多くは妊娠初期の段階で流産になります。妊婦さんの側が気づかず流れるケースも多いですが、なかなか理屈では割り切れず、感情的にもなってしまうかもしれません。残念ながら、受精にはそのようなケースが意外と多いのです。しかし、産まれてくる赤ちゃんで、先天的に障害がある子は滅多にありません。それは、育つ力のない受精卵は、多くの場合流産してしまうからなのです。もちろん流産でないにこしたことはありませんが、自然流産には、そういう受精卵の側の事情があるのだと考えています。

「無理なく出産できる体へ」

女性の体は、妊娠すると「母体(母胎)」という、今までとは違う新しい体に生まれ変わります。その変化はホルモンの分泌や体内の変化といった集注の変化、重心の取り方が変わることによってもたらされます。人間をはじめ、生き物は”自然の神秘”の働きによって、信じられないほど体が大きく変化するときがあります。いもむしがさなぎになり、そして蝶になる劇的ともいえる変化も自然の神秘の働きによるといえるでしょう。

受胎した女性の体は、10ヶ月後の出産、それに続く授乳にむけて変化をはじめます。妊娠していないときの体だけ見ると、とてもお腹の中で赤ちゃんを育て、出産するという大仕事をこなせるようには思えませんが、妊娠と同時に無理なく出産できる体へと、どんどん変わっていきます。

その変化は、早過ぎもせず、遅すぎもせず、胎児の成長にぴったりとそって、あらかじめプログラムされていたかのように進んでゆきます。そして、出産という大仕事をごく自然なこととしておこなえる体へと“変身”するのです。新しい生命の誕生も神秘ですが、その生命を無事産み出すための母体の変化もまさに生命の神秘です。

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