「骨盤の開閉」について

女性の整体その2

「骨盤の開閉」

思春期以後、女性のからだは女性ホルモンの働きによって、「子供を産み、育てる」 ということを最優先にからだは成長し、からだのリズムを刻むこと言われています。そして、その働きは、閉経まで続きます。

では、女性ホルモンが引き起こすからだの変化とは、どういうものなのでしょう。 ここでは、西洋医学的に観察されるミクロの変化ではなく、実際に感じられるからだの変化として見てみたいと思います。

妊娠 ・ 出産を可能にする、女性のからだのリズムは、排卵 ・ 月経という形であらわれます。 約28日周期で月の満ち欠けのリズムと同期して、排卵と月経をくり返しています。 この排卵 ・ 月経のリズムに合わせて、女性の身体にある変化が生じています。 それは、骨盤の変化です。

骨盤は、動かない一つの大きな骨だと思っている方もいらっしゃるかも知れませんが、おしりの上の方に、仙腸関節という左右一対の関節があり、その仙腸関節を中心として、上下・ 前後 ・ 開閉と、さまざまに動いているのです。

特に女性の骨盤は、開閉の動きが大きく顕著です。 最も代表的な例は、妊娠出産です。 妊娠すると、胎児の成長に合わせて、骨盤はだんだんと開いていきます。 そして、出産時には、骨盤が大きく開大します。 骨盤が十分に開ききることで、自然な出産ができるのです。

そして女性の場合、骨盤の開閉は、排卵 ・ 月経とも密接にかかわっています。月経を迎えると骨盤は開いていきます。骨盤の開きは、月経2日目で最大となります。その後徐々に閉まりだして、排卵前後に最も閉じることになります。(月経直前が最も閉まる人も少なくない)
排卵 ・ 月経のリズムが自然であるためには、骨盤の開閉がスムーズであることが必要です。このリズムの乱れやすい方は、骨盤になんらかの不都合があると考えられます。

月経の直前にイライラするという人が結構いますが、これは、月経直前に開こう開こうとしている骨盤が、つっかえてうまく開けないことによって起こります。身体を捻って使う人に多句見られます。 骨盤の状態というのは、精神状態と密接な関わりがあります。 骨盤が閉まると、からだのエネルギーが集中し、気分は昂揚してきます。 それがいきすぎると、イライラしたり、ヒステリックになったりします。

骨盤が、開くべきときに開かないでつかえてしまうと、やはり精神的にイライラすることになります。実は、更年期に多いイライラというのは、これと同じメカニズムなのです。身体の働きが精神や心の状態を生む、といったことが言えるわけです。

逆に、骨盤が開くと、からだのエネルギーは分散し、気分的には、なんとなくのんびりとした感じになっていきます。生理中は、気分が乗らなかったり、何をするのもおっくうになったりしやすいのはこのためです。
そして、骨盤が開いているときは、その気分に合わせて、のんびりと過ごすのが、からだにとっては自然ですが、身体のリズムを無視して不自然に開いたり閉じたりしていると自分の身体を壊すことになります。

ただ、現代はパソコンなどによる深刻な目の疲れや、衣・食・住といった生活習慣の変化によって、この骨盤の開閉という自然な流れがたった150年くらいで失われてしまった時代ともいえます。
どういう感覚が開いている・閉じているかが分からない。そういう人の方が多いでしょう。
女性の身体は開くと捻じれ、閉じると歪みがとれます。こういった自然なサイクルが本来、女性にはあるのです。

女性自身が自分自身のからだに寛容になり、身体の摂理を理解し、知恵を取り戻し、またまわりもそのように理解して協力していけることが理想的であり、周りとも程よいパートナーシップを育てていけると思います。

※著 三砂 ちづる 「昔の女性は出来ていた忘れられている女性の身体に在る力」







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