深夜のお茶会

 次の工事の為、稽古終わりに男子三名で台所と事務所の荷物を二階に運び出すことにした。

お陰で部屋はすっからかん。綺麗に掃除して次の工事の施工を待つ。

くつろげる場所が消えたので、応接間に移動して西陣稽古場から頂いた素敵な茶菓子があるのを思い出した。


合同稽古筆動法の時に電話を貰っていたのだが、なんだか余計な時に連絡を寄越してしまったという謝罪?の手紙と共に送ってくださった。

自分としてはなんにも気にしていないので、却って頂いて宜しいんでしょうか?という気分。

西陣稽古場の戸村先生は、なんだかこういう節目節目に素敵な気を遣ってくださる大先輩である。
茶菓子と共に送られてくる達筆な手紙になんとも言えない染み渡るものがある。

包みを開くとよさげなお菓子。
どうせなら抹茶をたてようと
茶碗と茶筅を取りに行く。


男子三名、当然お茶を習ったこともなく手順も入れ方も何も知らん。

とりあえずコーヒーポットでお湯を沸かし、茶杓ですくった抹茶を入れて、冷ましたお湯をトポトポ入れて、茶筅をふる。

さてお味は?
不味くはないがうまくもない。

選手交代、二人目がいれる。
なんだか前の人の集注に乗っているかのよう。

続いて三人目。二人目の続きで茶をたてている。味はだいぶまろやかに抹茶らしくなってきた。

続いて四人目私の番。
さっきより断然、集注が深い。
身体の隅まで抹茶が染み渡る。

五人目。
飲むと食道に抹茶が降りていく。
身体が出てきた。

六人目。
食道から腹にはいる。
瓢箪のかたちに抹茶が降りていく。染み渡る。

おもしろい。あっという間に場ができてしまった。

皆が身体に出会い、それを共有していく。
その場に起こった感覚が共有され深くなって行った。

こうなってくると茶動法、稽古に組み込もうかと考え出してしまう。

その前に合同稽古で茶動法の先生でも呼んで教えて貰おうか?

たまにこんな深夜の茶会があってもいいかもしれない。


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