白山

合同稽古会を終えて、余韻冷めやらぬうちに長男を連れて白山登山決行。


前日の稽古会を早々に終えて、五時間ほど寝てからまだパジャマを着たままの長男を拉致し、車の後部座席に寝かせそのまま二時間ほどかけて白山登山道、別当出会いへ。
今回も登山スタイルは作務衣に地下足袋、背負子にテント、寝袋、リュックサックの中に着替えに2日分の食料、モバイルバッテリー、ポイズンリムーバー、絆創膏、水筒、雨合羽と本当は自炊道具も持っていきたいが、装備は必要最低限にまとめる。何せ重い!
長男のリュックサックにも2日分の着替えとおやつ、雨合羽に迷子になった時用のホイッスルにティッシュとタオル、水筒。

今回は長男の咳も酷いし、あまり乗り気で無い様子。行けるところまで行って見ようか?と説得して連れてきた。

私が初の白山登山は五歳の時、今の長男と同じ年齢だ。テント泊での登山だったが夜に見た星空が未だに忘れられない。
長男にも同じ経験をさせてやろうと、親の我が儘を通すことにした。

第一関門は最初の吊り橋。




すでに怖がって渡りたくねー。と顔をしかめている。
でも手を引いてやると怖がりながらも渡ってくれた。

そこから黙々と登ること三時間、最初の休憩地点に到着。すれ違う人、行き交う人の見ず知らずの他人同士が「こんにちは」と声を掛け合うのにもだいぶ慣れた様子。年齢を聞かれ「五歳」と答えると、皆が「すごいね、頑張ってね」と声をかけてくれる。本人もまんざらでも無い様子。段々と鼻が高くなってくる。










もっと早く登ろとパパの先頭をきって歩く姿はなんとも頼もしい。今日はなるべく怖いところを歩いて克服するんだそうだ。二時間かけて次の休憩地点に到着。あと少しのぼれば、後はテントサイトまでは平坦な道が続く。



お昼ご飯にパンを食べていると突然の腹痛からの嘔吐。少し無理をさせたかな?と着替えをとリュックサックの中身を探すと着替えがない。
テントサイトまであとちょっと。
本人はそんなことも気にせず、入れたはずのお菓子がないから帰る、と言ってすたすたと下り道を下る。
え?そうなん?帰るの?ここまで来たのに?確かに着替えないけど、咳も酷いし、でも帰り道三時間くらいかかるよ。大丈?と言っても、僕は大丈夫だから帰ると言ってすたすたと歩いていく。




そうなると日がくれる前に下山しなければ、と足早に下ることにする。
しかし、心配を裏腹にすぐに休憩するわりにはリュックサックも下ろさないし、手を握ってもすぐに振りほどいて一人で歩こうとする。
来たときに通った吊り橋を早く歩きたいんだそうだ。三時間かけて下りてやっとこさ吊り橋に到着。背負子が肩に食い込んで痛い。吊り橋の真ん中でビュービューと風が吹き揺れると途端に怖いーと言って泣き出した。


良く頑張ったよ、となだめて吊り橋を渡り今回の登山は終了。予定通りには行かなかったが長男を誉めてあげたい。
事務局で宿泊と夕食のキャンセルの電話をして下山届けを出して市ノ瀬の永井旅館に向かう。
玄関を開けると懐かしい顔。待ってたかの様に女将さんのMさんが私の顔を見て笑い出す。どうやら覚えていたらしい。旦那さんのHさんにもお会いしたかったが所用で留守だったらしく会えなかった。20年くらい前にここで働いていたことがある。昔話に花が咲き長男も紹介してお風呂をご馳走になった。
来年はここで一泊してから登ることにしようか。
帰り道は案の定、長男は爆睡。




体調不良ながらホントに良く頑張って登ったものだ。今度、私が五歳の時の白山登山の写真でも見せてあげよう。

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