リスク

この間、初めましての人が整体のリスクは何ですかとお尋ねになられた。
そこでふと、10年位前にマッサージの仕事のメリット・デメリットは何ですか?と尋ねてこられたかたを思い出した。
当時は違和感満載で、何を言ってるのかわからず、ギターひきだったので、
「では音楽のメリット・デメリットは何ですか?」
と返したら、ひどく困って
「そんな事は考えた事もない、音楽は喜びだ。」と仰っていたが、
「貴方が今した質問はそういう事なんですよ。」と返すと納得したようすだったので、
「仕事は人に士(つか)えるとかく。
そうしてあたわるもので、経験した上で語るならともかくメリットとかデメリットとか最初に自分本意に考えるものではないのでは?」 と続けた。
まあ、今考えると当時はそういう就活論が流行っていたのだろうし、ご本人は不安で、その仕事をやっていて楽しかった事や苦しかった事などの経験談を聞きたかったのだろうと思ったが、少し選ぶ言葉が悪かったのだ。
メリット・デメリットで聞くものだから、損か得か?と聞かれたようなものだ。
その仕事に呼ばれたからそれに応じたのだ、と語る他ない。
損得でなく呼応したわけだ。
それが私の職業意識や判断基準を創って来たのだな、と教えてもらったわけだが。
しかし、今回はリスクときた。
メリット・デメリットも聞かれたような気もするが、これには困った。
聞きたい気持ちはわかるんだが、そんな事は考えた事もない。
その物事が己にとって損か得か危険か安全かはご自身で経験して判断していただく他ないだろう。
関わってもいない私にはまだ何も言えないのだ。
こういう考えを持つ人や、何気なしに使う人は世の大半だろうが、いっそもっとこのお考えを深めて義務教育を受けることの
それや、毎日着る洋服の色とか車に乗ること、電気を使う事、生きることへのメリット・デメリット、リスクまで語ってはどうだろうか?
普段何気なしに選択している物事や思想を徹底的に洗いざらい考え直して見ればいいだろう。
それはひどく頭の疲れる事かもしれないが、生きていく事はそういう事だろう。そこに向かって仕事も整体も文化もあるだろと思うっている。
生きていく事の損得は生きてみないとわからない。
あえてリスクを語るなら、生命を充実させるような物事を選ぶ。生命を失うような物事は選ばない。
しかし、そういう状況はやってくることがあるから、それに備えて整えておく。
ただ頭の理解だけでは何事も語れない。それを外しておく経験が必要だ。

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