豪雪中

北陸は例年にない豪雪であった。ニュースは北陸の雪の話題ばかり。
当然毎日雪かきばかりで予約もキャンセル続出。妻はインフルエンザを避けて実家に帰ったらこの大雪で出れなくなってしまった。僕も仕事場から出られずうちに帰れない。
家族四人がバラバラでこの大寒波を迎える事になってしまった。子ども達に10日も会えないのは大分寂しいし心配だ。
車もなかなか乗れないし、まず掘り起こさないといけない。
2月5日~2月7日、ずっと雪かきばかりして過ごす。雪にはまった車をご近所さんと救助しまくる。名付けて横川五丁目救助隊結成‼
2月8日。
引きこもり四日目にしてやっと車で外出。幹線道路はすいすいだが、小道は危ない。何度もはまり、そこのご近所さんに助けてもらう。やっとこさ帰ってこれたら今度は家の前で車がはまって車庫入れできない。
困っていたら向かいの奥さん、お隣のTさん登場。一人また一人と横川五丁目救助隊のメンバーが集結。皆で助けてくれる。自分の車がはまってるのに助けに来てくれた人もいた。
やっと車庫入れを果たして今度はその車を救助。向かいTさんは福井~あわら間で2日雪に閉じ込められたというのに、ご自慢のスズキのジムニーで牽引してくれた。素晴らしい‼世の中まだまだ捨てたもんじゃない。
本当にありがたく感動した。
2月9日、早起きして住んでる家に向かう。車はまたはまると大変なので、歩いて向かう。歩道も凄い雪。一時間かけて家に到着。カーポートの軒下に高さ160センチ位の雪の壁がたってる。これをどかさないと家にも入れないし、車で帰って来ても停める場所がない。どうやら雪の捨て場がなくここに積み重ねたらしい。ちょっとあんまりだ。
という訳で三時間かけて除雪。雪の捨て場所がないので30m位のところへ雪のブロックを移動させての繰り返し。腕も足もパンパン。何とか車一台停まれるスペースを確保して退散。また一時間かけて仕事場まで戻る。
足はヘロヘロ。午後から予約が入ってるので稽古着来て正座したらあら不思議。なんとかなりそう。
2月10日仕事を終え、車の車検の為、オートバックスへ。この大雪で代車も出払い、部品も到着せずで車検開始日が来週金曜日になりそうとの事。仕方がないので車を預けて歩いて帰る事にする。当分車生活は送れず徒歩圏内での生活となりそうだ。
妻と子ども達は昨日の車庫の雪かきをしたお陰で何とか午後には家に帰って来れたらしい。
来週からまた寒波が来るらしいから今日中に帰って来れて良かった。
滑りながら夜の雪道を帰る。帰路は小雨。何とか家に帰り家族四人対面を果たす。子ども達の顔を見てやっとほっと一息つけた。
やっぱりこういう事態は家族揃っていないと絶対駄目だな、と何度も思った。
ご近所さんとの雪かきや困っていたら皆が集まって来るのもそうだし、皆一人で生きていないのだ。
一人で生きているつもりの人は助けてもありがとうも言わないし、雪かきの仕方にも現れる。
そんな事を今回の豪雪~学んだ。人のありがたさに触れる事ができた。こうなってみてつくづく石油・電気依存の現代なのだと思い知らされる。生活圏は徒歩一キロ圏内が人間の標準ではないか?と誰かが言っていたことを思い出した。
そうかもしれない。便利な車やエネルギーがあるお陰でなかなかそこに気づく事が出来ないかもしれない。歩いて買い物に行き、リュックに入るだけのものを詰め込んでかついで帰る。ちょっとした肉体労働だ。
体力の充実や保存食の備蓄や、暖の取り方やエネルギーの確保、子供達の安全、共同体や行政との連携。
色々考えさせられたが、全ては生存の為。
戦争や地震や台風の被害もない金沢に、この豪雪という危機的状況は平和ボケした感覚を吹き飛ばすには充分だった。
この状況が雪国の人の暖かさを作って来たのだろう。
この土地に生まれて良かった。
がもう雪はいいや。

コメント

このブログの人気の投稿

あたわりもの

before after vol.7 蜂の巣とコーキング

新年一月・二月の予定