「産後の注意・胎便・初乳について」

整体における妊娠と出産その8

「産後の注意」

出産前後の問題は、その後の健康を大きく左右します。産後約2ヶ月は無理をしてはいけません。特に、産後骨盤が元通りに閉じて安定するまでにおよそ6~7週間かかります。この間は家族の協力を最大限得て、無理をしないで過ごすことです。

妊娠・出産前後の問題は、女性の一生の健康に関わってきます。直後はさほどでもなくても、更年期にその影響がでることも多くあります。また、赤ちゃんにとっても、胎児期と生後13ヶ月(男の子は15ヶ月)までは、一生の基礎をつくる大切な時期です。

いろいろと生活に制約を作ることは、そのときには大変ですが、これからの人生のうちでは、そう長い時間ではありません。この期間は無理をしないで、可能な限り母体・産婦と赤ちゃんのことを優先して過ごされることを望みます。

産後しばらくは、部屋を暗く静かにして、急に明るいところへ出ないようにします。できれば、2週間は遮光カーテンを引いておいた方が良いでしょう。これは、赤ちゃんにとっても大切なことです。スタンドや、天井の蛍光灯などの光の直射は、母子共に良くないので、布で覆いをします。産後の針仕事を控えると言ったのはこのためです。目や頭に気がいくと骨盤の締りがうまく行われません。
産後起きあがってから1週間ぐらいは、赤ちゃんを抱いたり、重たいものを持ったりしてはいけません。その間、授乳は横になっておこないます。
二ヶ月以内は、新聞・雑誌・小説など、細かい字を読むことはいけない。
テレビの見過ぎなど眼を酷使してはいけない。そして、禁パソコン禁スマホ。
目の酷使は目が張り付いた感じになります。その時は何も感じなくても50代以降に出てくることが多いです。
洗髪は、6週以後。
夫婦生活に戻るのは6~7週以後とされていますが半年は待った方がよいでしょう。
(すぐに次の子ができてしまいます。)

「育児の本」(野口晴哉著・全生社) 参照


「胎便の排泄」



赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいたときにたまった便を、「胎便」といいます。胎便は緑がかった黒色・粘性の便で、「カニババ」 とか 「ガニグソ」 などともいわれます。この胎便をしっかり排泄させることが、その後の赤ちゃんの健康にとって非常に大切になります。これを出さずに体内に残してしまうと、アトピーや喘息をはじめとする様々なアレルギーや、自家中毒などを起こしやすくなってしまいます。特に、母親にアレルギーや呼吸気の異常、腎臓の異常がある場合は、より注意して排泄させることが大切です。そして、この胎便を出し切った赤ちゃんは、アトピーや喘息などになりにくく、麻疹(はしか)なども軽くすみ元気に育ちます。

胎便は、生後3~5日で排泄されます。初乳(出産後2~4日の間だけ出る、まだ乳白色にならないお乳)は胎便の排泄を促しますが、それ以外のもの、例えば粉ミルクなどをあげると胎便の排泄がストップしてしまいます。この期間はなるべく母乳だけをあげるようにしたいものです。

「胎便の排泄を待って初乳を与える」



胎便は、生まれてすぐから出てきます。そうしたら初乳を与える前に、水を飲ませます。そのとき水にレモンを一滴か二滴垂らします。(1リットルの水に、1~2滴程度で十分です) これは、メレナといって血が止まらなくなる病気になるのを防ぎます。メレナは体内に細菌が全く無いことが原因で起こるので、何でも良いから細菌を入れてあげればよいのです。(注1)

そして、右季肋部にある腹部第五調律点という排泄を促す急所に愉気します。(調律点の場所は直接お教えします) そうすると、胎便の排泄が促され、生まれて20時間ぐらいで胎便の大部分はほぼ排泄されます。この排泄を待ってから、初乳を与えれば安心です。

生まれて20時間水だけでも特に問題はありません。一時体重は少し減りますが、母乳を与えればすぐに元に戻ります。そして胎便を排泄したぶん、腸の働きも栄養の吸収も良くなります。また赤ちゃんは、まだお乳を飲むということを知らないので、ほとんどの場合ほしがることもありません。

注1)肝臓で血液凝固因子(VII,IX,X)を産生する際に必要とされるビタミンKは腸内の細菌がつくる。新生児は腸内細菌叢の発育が未熟なためメレナを起こしやすいと言われています。

「母乳を与えることで骨盤が引きしまる」


赤ちゃんがおっぱいを吸うという刺激は、骨盤の収縮を促進します。後陣痛というものがありますが、授乳のときに痛みを強く感じることがあります。これは赤ちゃんがおっぱいを吸うときの刺激で、骨盤そして子宮を収縮させるホルモンが分泌されるために起こります。赤ちゃんがおっぱいを吸うことがお母さんの産後の回復を促していることにもなっているわけです。人間の体というのは本当にうまくできていると思います。

骨盤がうまく引き締まらないと、産後太ったままやせない傾向があります。人によってはその後もどんどん太っていってしまいます。 母乳を与えることは骨盤を引き締めるので、美容法のつもりでどんどん母乳をあげましょう。目安ですが、授乳は長くても一歳半過ぎくらいまでに終えるといいそうです。あまり長いことあげすぎているとお母さん側の胸腺が崩れ、心臓系統や乳腺系統の症状を患いやすいのです。

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