「産後の起き上がり方について」

整体における妊娠と出産その7


「産後の起きあがり」


10ヶ月かけて出産のための準備を整えた体は、出産後元の体に戻るのにも、やはり数ヶ月かかります。特に大事なのは、出産で開いた骨盤が引き締まって元に戻ることです。

整体における、出産前後の健康管理の一番大切なポイントは、産後の起きあがりの時期にあります。出産後、いつ起きあがるかということは、その後の健康にとって大きな影響を及ぼします。上手に起きれば、体質改善・美容法になりますし、起きる時期を誤れば、体が弱くなることもあります。

妊娠・出産で拡がった骨盤は、出産後徐々に元に戻ります。このとき、開いていた骨盤は、まず左右片側ずつ閉じてきます。そして、左右そろって閉じるときがあって、また左右差が出てきます。この繰り返しで、骨盤が閉まっていくのです。体温計で計ってみると、閉じている側は体温が高くなっています。両方閉じようとしているときは、左右の体温が一致します。

骨盤が片側ずつ閉じている間は起きあがらず、寝ていた方が良いのです。骨盤が、左右同時に閉まってきたときに起きあがります。骨盤(尻)が閉まるから腰が入ります。腰が入らない状態で起きあがると首に無理な力みを作って起きあがることになります。更年期の不調はこの首の無理な力みからくることが多いのです。

片側だけが閉まっているときに起きあがると、骨盤の閉まりぐあいに左右差が残ったまま骨盤の引き締まりがストップしてしまいます。子供を産んでから体調がすぐれないとか、病気がちになったとかいう話をよく聞きますが、それらはみな骨盤が左右そろわないまま固まってしまった人たちです。女性の体の中心は骨盤です。女性の場合、骨盤の位置、弾力、そして上下・開閉・前後の動きなどが体に与える影響はとても大きいものがあります。

出産は、偏った体の使い方や成長の過程で歪んでしまった骨盤を正す最良のチャンスでもあります。出産後、骨盤がそろったときに起きあがった人は、みな出産前より健康になり、きれいになります。それまで抱えていた体のいろいろなトラブルも、すっかり無くなってしまうことも多いのです。

「体温がそろったときに起きあがる」


出産後、胎盤が出てから8時間ごとに、左右のわきの下で同時に体温を測ります。同じ体温計を、2つ用意した方がよいでしょう。 8時間ごとに計っていると、左右差のあった体温が左右そろうときがあります。そして、また左右に差が出てきます。そして、三度目に左右の体温がそろったときが、起きあがる時機です。骨盤がそろうのにはに、だいたい3日~10日かかります。

起きあがり、30分~1時間きちっと正座します。そのまま、また寝て、次の日の朝から普通の生活に戻ります。ただし、その後1週間ぐらいの間は、赤ちゃんを抱き上げたり重いものを持ったりしてはいけません。

起きあがらないというのは、文字通りの意味で、授乳も横になったまま行い、トイレも寝たまま済ませられるよう便器を用意します。最近はデパートの介護用品のコーナーなどによいものがそろっているようです。横たわっていれば、自由に動いて大丈夫です。起きあがって、腰・骨盤に力が加わると、骨盤の引き締まりがそこでストップしてしまうのです。

「起きる時機を選べないときは」


最近は、病院で出産される方がほとんどですし、仕事の関係上とかで産後の起きあがりを自分で自由に決めることは難しいと思います。骨盤がそろうときに起きることができなかった場合は、整体操法で調整するか、「産褥体操」という特殊な体操をおこなってもらいます。その場合は、出産後なるべく早期に調整することが大切になります。2週間後ぐらいに調整を始めるのが良いと思います。自分でできる方も左右の骨盤が縮まってきたのを感じ出して二週後くらいに操法を受けるといいと思います。

調整や体操は、起きあがりのタイミングをしっかりとらえた場合と比べると、次善の策ということになってしまいます。しかし、骨盤が片側開いたまま固まってしまうことは、その後の健康に大きな悪影響があります。起きあがりの時機を選べなかったときは、やはり調整することが必要です。

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